現地時間9日、KVコルトレイクのDF渡辺剛がジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)の古豪KAAヘントへ、4年契約での完全移籍をすることが発表された。
渡辺剛は、FC東京の下部組織出身であり、U-18に昇格ができず山梨学院大学附属高校に進学するという挫折を青年期に味わっている。
ここで1年時に身長が20cm以上伸びたことから、センターバックにコンバートされ、空中戦の強さと体格の強靭さから頭角を表し、3年時には第93回全国高校サッカー選手権で優秀選手に選ばれ、世代別代表にも選出された。
中央大学に進学しても1年時からレギュラーをつかみ、2部降格というここでも挫折を味わったものの、卒業年に2部優勝を果たし1部昇格に導き、自身は特別指定選手として登録されたFC東京にユーズ時代以来のカムバックを果たす。
2019年シーズンは、森重真人、チャン・ヒョンスと各国代表のセンターバック陣がスタメンに名を連ねており、出番は少なかったものの、7月からはチャン・ヒョンスの代役としてスタメンに固定され初年度から20試合出場2ゴールという活躍を見せると共に、リーグ最小失点数タイである29失点という成績にも貢献してみせた。
その活躍から、フル代表にも選出され、EAFF E-1サッカー選手権の香港戦で初キャップを経験する。
2020年シーズンは、ゲームキャプテンにも選ばれ、森重とセンターバックのコンビを組み、前年度を上回る28試合に出場。
2021年シーズンも、27試合に出場しシーズン通しての安定したプレーぶりから12月28日付でKVコルトレイクに完全移籍することが決定。
最初のシーズンはセンターバックと右サイドバックで出場をしていたが、22-23シーズンはセンターバックを中心に全試合フル出場を果たし、チームを1部残留に導く。
今シーズン全試合フル出場を果たしたフィールドプレーヤーは、渡辺のみであり、その活躍から、サポーターが選ぶ年間最優秀選手に選ばれ、チーム内外から愛されていた。
そんな活躍から、同リーグ古豪のKAAヘントが目をつけこの度獲得が発表されたのである。
KAAヘントは、元々陸上競技のクラブであり、1900年にサッカー部が創設され、これまでジュピラー・プロ・リーグ1回、ベルギーカップ4回の優勝経験を誇る。
2022-23シーズンは、ジュピラー・プロ・リーグ5位と2014-15シーズン以来優勝どころか、優勝争いにも絡むことができずにいる。
KAAヘントのセンターバックのポジションは、ケニア代表のジョセフ・オクムと、ジョーダン・トルナリガが全試合の約80%でスタメンを張っており、比較的メンバーは固定されている。
だが、渡辺の競争相手の1人であるオクムは3シーズン連続で怪我により離脱を経験しており、特に22-23シーズンは3回り脱しており、シーズン最後の4試合を欠場し、先週行われた代表戦も怪我により欠場していることから、シーズン通した出場を期待できないという事情がある。
だからこそ、今シーズンリーグ唯一のフル出場を果たしたフィールドプレーヤーである渡辺に注目が集まったと言える。
ジュピラー・プロ・リーグ上位チームでもレギュラーをつかみ活躍を果たせば、日本代表のセンターバックとして2019年以来の日の丸を背負う可能性は十分にあり、圧倒的なスタッツを残すことで欧州5大リーグへの移籍も0ではない。
是非、KAAヘントでもタフな活躍を期待していきたい。
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