昨シーズンJ1で17位と低迷し7年ぶりのJ2降格となり再起が期待されてる清水エスパルス。
J1でもここ数シーズン優勝戦線に参戦することができず、反対に2012年は14位、2020年は16位と下位に低迷しており、ここ最近の戦いを見て心配に思う声が多く上がっても仕方ない。
だが、戦力を見てみると、カタールワールドカップで正守護神としてドイツ、スペイン撃破などの活躍に貢献を果たしたGK権田修一、昨シーズンJ1得点王に輝いたFWチアゴ・サンタナ、現在はブラジルに移籍したが開幕当初はMF松岡大起の残留といったJ1でも一流級のスキルを持った選手が清水残留し、9年ぶりに名古屋グランパスからDF吉田豊が移籍を発表。
そのほかにも、元日本代表のMF乾貴士や高い守備能力にて中盤を支えているMF白崎凌兵、長期に渡りチームを支えてきているMF竹内涼などJ2において豪華すぎるメンツが顔を並べていた。
そして、監督は昨シーズンから途中就任していたゼ・リカルド氏が残留し、ここ最近固定できていなかった監督をJ2に降格しても残留するという姿勢をフロントが見せてくれたことで、「今年は違う」という雰囲気を感じさせ、「J2優勝し1年でJ1復帰」という目標をチームの動きから強く感じさせた。
だが、結果的に蓋を開ければチームは第8節終了段階で1勝もできず、2連敗を喫したことでゼ・リカルド監督は解任。
5季連続でのシーズン途中にて監督の解任は、サポーターとしては歯がゆい気持ちでいっぱいであろう。
それでも、後任の秋葉忠宏監督が次節の東京ヴェルディ戦で試合終了間際に勝ち越しゴールを決めて初勝利に導き、昨シーズンから14戦勝ちなしという長いトンネルを抜け出すことができた。
だが、なぜ豊富な戦力を誇る清水エスパルスがJ2というステージでもここまで苦しんでしまうのだろう。
まず1つ目に挙げられる点といえば、最終ラインを下げて構えているディフェンスを崩すことができていない点であろう。
清水は、ボールは回せているが、ガチガチに固めている相手のディフェンスラインに自由に攻撃をさせられていない印象がある。
他チームと戦力で比較しても、オフに大補強をした町田ゼルビア以外とは、圧倒的にタレント性に秀でている。
そのため、相手チームは引き分けでもOKというスタンスでディフェンスラインを下げて試合に臨んでくる。
1vs1、1vs2を攻略し切ることができず、ゴールラインを固められて、シュートの際には振り切られないようにしっかりと体を寄せられることで、自由に打たせてもらえないことが苦戦の要因として挙げられる。
2つ目の要因としては、自陣でパス回しをする際の危機能力の低さである。
失点シーンとして自陣でのパス回しの際に、ボールを取られカウンターで数的不利を強いられ失点するという非常に勿体無いシーンをフィールド上で展開してくる。
今シーズンで挙げると、第9節のべカルタ仙台戦の失点は非常にもったいなかった。
MF西澤健太が権田からパスを受け、ドリブルで持ち運びへ、サイドへパスをしたが、中に入り込んでいたDF北爪健吾と息が合わず、相手にボールを取られカウンターから同点ゴールを許し試合は終了。
せっかく先制点を挙げたにも関わらず、一昨年シーズンから悩まされている守備ラインの甘さから失点をしてしまい守り切ることができていない。
第7節のヴァンフォーレ甲府戦の失点シーンも見ていて苦しいシーンではあった。
試合開始から82分まで無失点で耐えていたが、キャプテンであるDF鈴木義宜が相手フォワードのプレスから中途半端なパスをしてしまい、あいにくインターセプトされカウンターから失点。
能力はJ1ランクにも関わらず、チーム内での意思統一ができていないのか集中力の欠如と言わざるを得ないミスからの失点が目立ち、勝てる試合も勝つことができず、第9節を終えて1勝しかできていない。
監督を交代するだけでは決して問題が解決したわけではなく、現に5シーズン連続でシーズン途中で監督解任するというチームの低迷を象徴するような出来事が連続して起きているということは、失敗を連続して繰り返していることでありサポーターに対してより強い不信感を招いてしまっている。
だが、秋葉監督によると「サッカーの本質で、走る・球際・切り替えすべての面で上回らなければならない」と語っている通り、戦術の前に選手一人一人の力を出し切り、相手チームよりもアグレッシブな姿勢で試合に臨み、秋葉監督の熱さに匹敵するほどの熱をフィールド上で見せてもらいたい。
かつての名門が数シーズンもJ2で苦しむ姿は見たくない。
1年でのJ1復帰は厳しいかもしれないが、J1に復帰する際には選手一人一人の輝かしいプレーを見せてもらいたい。
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