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原翔太朗

小川諒也 ベルギー1部 シント=トロイデンVVへ期限付き移籍


 先月26日、FC東京のDF小川諒也が、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデンVVへ期限付き移籍をすることが発表された。


 契約期間は、2023年7月1日から2024年6月30日までの1年間となる。





・小川諒也の経歴


 小川は、小学1年からサッカーを始め、小学生時代はさまざまなポジションを務めていた。


 中学1年からサイドバックにコンバートされ、初めは嫌な気持ちを抱いたみたいたが、長友佑都や内田篤人がチームの中心として攻守にわたって活躍している姿から、徐々に受け入れることができるようになったとのこと。

 

 高校は、当時大前元紀らの活躍の憧れから、流通経済大柏高校に進学し、センターバックや左サイドハーフなど運動神経の高さから様々なポジションを任された。


 2014年の全国高校選手権では、試合中の負傷から3回戦からは痛み止めを服用しながら出場とタフな状況ながら、正確なキックから得点を演出し、チームのベスト4進出に貢献し、大会優秀選手にも選ばれた。



 "俊足強打"のサイドバックに複数のプロクラブが争う争奪戦となり、結果として「(スカウトが)一番に高校に来てくれた」FC東京への入団を決意した。


 2015年には、出場機会確保のためJ3のJリーグU-22選抜チームへレンタル移籍をし、1試合の出場を果たし、2016年にはFC東京へ戻り、トップチーム最初の試合がACのベカメックス・ビンズオンFC戦で左サイドバックでのスタメン出場と大抜擢を受ける。


 そして、最初の試合から90分フル出場を果たし、コーナーキックから2アシストを記録するという華々しいデビューを飾った。

 シーズン開幕当初は、左サイドバックで先発出場を果たし、J1で18試合3ゴールを挙げる活躍を見せた。


 だが、室屋成が怪我から復帰したことで、右SBで出場していた徳永悠平が左サイドバックにポジションチェンジをする兼ね合いから、より多くの出場機会を設けるため、9月からは主にJ3のFC東京U-23チームで出場をするようになった。


 第27節のSC相模原戦では2アシストを記録するなど、J3では14試合4アシストと自慢のキックを武器に多くのアシストを記録していった。


 2017年は、J1では5試合のみの出場にとどまり、主にJ3のFC東京U-23とトップチームのカップ戦で主に出場を果たしていた。


 リーグカップ戦では、グループリーグ第6節の清水エスパルス戦で、プロ初ゴールを挙げるなど7試合1ゴール1アシストという活躍で、チームのベスト8進出に貢献。


 そして、J3では前半戦は左サイドバックで出場していたが、8月からはトップチームが3バックに基本フォーメーションを変更したことで、FC東京U-23でも3バックが導入され、小川は主に左ミットフィルダーで出場するなど、学生時代のユーティリティー性をこのシーズンは遺憾なく発揮。


 第17節のガイナーレ鳥取戦で1ゴール2アシストを記録するなど、26試合に出場し1ゴール8アシストと来シーズンの活躍が期待されるシーズンを過ごした。



 2018年シーズンは、シーズン通してレギュラーとして出場する事はできなかったが、第5節のガンバ大阪戦では、正確なクラスから2アシストを記録するなど所々で存在感を見せ、J1では15試合2アシスト、J3では11試合5アシストとい


 2019年シーズンは、開幕から左サイドバックのポジションを獲得し、第12節のコンサドーレ札幌戦でJ1初ゴールを挙げるが、8月から左足関節外側靱帯損傷による怪我にて、11月中旬まで欠場してしまう。


 だが、その後は左サイドバックとしてスタメン出場を果たし、22試合(1ゴール1アシスト)出場を果たす。


 2020年シーズンは、開幕戦こそACL2戦にフル出場したことでベンチ外だったが、第2節から左サイドバックでスタメンの定位置を掴み、ACLやカップ戦も含め38試合(J!リーグ28試合、カップ戦3試合、ACL7試合)に出場し3アシスト(リーグ戦2アシスト、ACL予選1アシスト)とシーズン通して左サイドを攻守にわたって支えてきた。


 2021年シーズンは、3月のワールドカップアジア予選のモンゴル戦でフル代表初選出を果たす。


 日本代表戦では3試合出場し、6月のキルギス戦でオナイウ阿道へのクロスでハットトリックを演出するアシストを記録するなど存在感を見せた。


 リーグ戦では、昨シーズン同様に左サイドバックでスタメン出場をしていたが、6月下旬からバングーナガンデ佳史扶が躍動してきたことから、右サイドバックとの併用での出場となってきた。

 

 そして、9月下旬に左ハムストリングス筋挫傷を負傷しフルシーズン活躍することができなかったが、33試合(リーグ戦30試合、カップ戦3試合)に出場し、リーグ戦で挙げた1ゴール1アシストと数字的には飛躍はないものの、チームに欠かせない存在として看板選手に成長してきたシーズンであった。



 2022年シーズンは、例年通り左サイドバックでフル出場を果たし、先制点を含む2ゴールを挙げる大活躍などセットプレーのキッカーとしてだけでなく、試合を決める活躍や、左サイドを攻守に渡る活躍によりチームを支え、カップ戦や天皇杯を含め19試合(リーグ戦15試合、カップ戦2試合、天皇杯2試合)に出場し、3ゴール(リーグ戦2ゴール、天皇杯1ゴール)という成績を残した。

 サイドバックでありながら、183cmの高身長に加え、セットプレーのキッカーを任せられるほどのキックコントロール能力の高さは唯一無二の魅力を誇り、これまでの活躍から5が下旬からポルトガル1部のヴィトーリアSCへの期限付き移籍が決まった。


 7月のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ予選のプスカシュ・アカデーミアFC戦でヨーロッパデビューを果たし、リーグ第4節のカーザ・ピアAC戦で途中出場によりポルトガルデビューを飾るも、その後は基本フォーメーションが3バックを主とするチーム事情もあって出場機会に恵まれず。


 試合感覚を養うために、ポルトガル3部に属するBチームで出場するほど苦戦を強いられ、結果としてリーグ戦わずか6試合の出場にとどまった。


 その後、期間満了により期限付き移籍が終了し、この度ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの期限付き移籍により海外リベンジが決まったのである。



・シント・トロイデンVVの現状から小川に期待されていること


 昨シーズンシント・トロイデンVVは、3-4-1-2もしくは5-3-2のフォーメーションにてシーズンを戦い抜いていた。


 チームに左サイドバックはエリック・ジュニオール・ボキャというフランス出身の23歳の選手が主に担っており、182cmの長身に加え、足の長さからダイナミック且つスピーディーなプレーに定評がある。


 だが、22試合3アシストと決してレギュラーを掴んだわけでもなく、且つ途中交代が目立っていたため、小川に付け入る隙は十二分にあると考えても良いだろう。


 右サイドバックは同じ日本人の橋岡大樹が担っており、日本人が多数所属するチームであったとしても、海外クラブで両サイドバックを日本人が担うというシーンも多く見られるであろう。


 出場機会が設けられれば活躍するほどのポテンシャルは十二分にあるため、是非、小川には欧州での存在感を高める活躍を期待したい。



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