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  • 原翔太朗

優勝候補川崎まさかの低迷-そんな中でも芽生えた若手の躍動-


 2020,21と2連覇を果たし、昨年も横浜F・マリノスとの熾烈な優勝争いを繰り広げ、間違いなくJリーグの王者として君臨し続けている川崎フロンターレ。


 だがそんな川崎も残り4試合を終えて勝ち点42のリーグ9位とこの時点で優勝ができないことが確定している。


 鬼木達体制7年目の今シーズンは、川崎において関塚隆監督を抜いて史上最長での監督在籍となり、今シーズンも優勝戦線を騒がしてくれることを川崎サポーターだけでなく、Jリーグファンも思っていたに違いない。



 だが、昨シーズン7得点と主力として活躍していた知念慶が鹿島アントラーズへ完全移籍となり、チームの支柱として欠かせない存在である日本代表のCB谷口彰悟はカタールのアル・ラーヤンSCへ完全移籍と存在感の大きいベテラン選手が移籍してしまった。


 反対に、昨シーズンサガン鳥栖で8得点と成長の跡を見せたFW宮代大聖が戻ってきてくれたり、湘南ベルマーレでレギュラーを張っていた瀬川祐輔、数シーズン柏レイソルで主力を担っていた大南拓真、チョン・ソンリョンの年齢がかさんできていることから、京都サンガF.C.から正GKの上福元直人を獲得し弱点を補う補強に取り組んだ。



 そしてここ10年で30人以上のプロサッカー選手を輩出している名門の桐蔭横浜大学から、下部組織出身のスピードスター山田新がレベルアップし戻ってきて、主力の流出だけでなくポジティブなニュースも多く飛び交った。


 だが、開幕当初から勝ち星に恵まれず順位も中位から下位辺りを巡っていて、王者らしからぬ戦いを見せてはサポーターをがっかりさせてしまっていた。



 連勝もなかなか続かず、無敗が続くのもわずか4試合とイマイチ波に乗れないシーズンを過ごしている今シーズンである。


 原因として考えられる点は、主力選手の流出に伴って生まれた穴を選手獲得で補うことができなかったからであろう。


 例年、守田英正や三苫薫、旗手怜央に中村憲剛など主力選手の退団が相次いでいて、普通のチームであれば上位を維持するのも困難と考えるほどである。



 それでも上位をキープできていたのは鬼木監督の手腕と統率力があってのことであったが、ルーキーイヤーから9シーズンに渡ってチームの要として支えてきた谷口の穴はあまりにも大きく、チームの闘いが安定せずにシーズンをここまで過ごしている。


 そんな中、明るい芽も徐々に生まれてきていることは事実であり、例えば今シーズンから加入した山田新はスピードを活かした攻撃で攻撃を活性化させる役割を担い、ルーキーイヤーながら25試合4ゴール2アシストという成績を残している。



 更に、20代中盤の選手の躍動が際立っている印象があり、今シーズンからキャプテンに就任した橘田健人はルーキーイヤーの昨シーズンからプレーに落ち着きが増した姿を見せてくれており、そして試合を決定づけるゴールも挙げることができるようになったのは川崎にとって非常に大きい戦力アップであろう。


 そして、昨シーズンから横浜FCから移籍してきた瀬古樹が、ピッチ上にいるいないでは大きく変わるほどの存在感が川崎の地でも確立できたのは非常に大きいだろう。



 司令塔として観客や選手たちが度肝を抜かれるほどのパスセンスや、正確なキックが持ち

味であり、守備の際にも球際の強さを発揮しボール奪取からのカウンターでピッチ上の流れを大きく変えることができる選手である。


 両選手とも25歳と長期間にわたってチームの中軸を担うことができる年齢でもあり、海外移籍も数年後には考えられるかもしれないので長期間川崎に在籍することはできないかもしれないが、それほどスキルに長けている選手であることは確かである。


 Jリーグでは決して期待通りの成績を残すことはできなかったが、ACLでは3連勝と今後の躍進に期待が持てる好スタートを切っている


 未だ1度も頂点に立ったことがないACLという舞台で国内の悔しさを晴らすことができるのか、川崎の2023年シーズンはまだ終わっていない。



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