今月20日、シント=トロイデンVVのFW林大地が、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)に所属する1.FCニュルンベルクへレンタル移籍をすることが発表された。
レンタル期間は、2023年7月1日から2024年6月30日までである。
林大地は、中学時代はガンバ大阪のジュニアユースに所属していたが、1学年上には鎌田大地、井手口陽介、同期に高木彰人や初瀬亮、1学年下には堂安律や食野亮太郎など、現在Jリーグや海外で活躍している選手が多数いたことから、林はレギュラーに選ばれることがなかった。
だが、中学3年の時にチームが日本代表として世界大会に出場した際に、決勝の舞台でメンバーの怪我の影響でスタメンに出場し、見事ゴールを決めるという勝負強さは青少年期から備わっていたプレーヤーであった。
だが、ユースに昇格できず履正社高校に進み、大学では大阪体育大学へと進学。
高校では攻撃的MFとして出場していたが、大学ではFWに専念し、関西学生リーグ1部で22試合24得点と圧倒的な成績を残す。
その活躍から、大学卒業後のサガン鳥栖に内定と併せて、4年生時の8月から特別指定選手に登録され、第22節のセレッソ大阪戦で、引退試合を控えていたフェルナンド・トーレスの最後の交代相手として途中出場を果たし、見事プロ初ゴールを決めて、プロの舞台で早々にドラマチック且つ持ち前の勝負強さを見せてくれた。
2020年シーズンは、途中出場が主であったが、31試合に出場し9得点という活躍を見せ、チーム内得点王に輝き、エースストライカーとして期待通りの活躍を見せる。
2021年シーズンには、2トップの一角としてスタメンに定着し、第5節の柏レイソル戦で2ゴールを決め、その翌週にU-24日本代表に怪我した堂安律に替わって追加招集される。
「SAISOM CARD CUP 2021」2戦目のアルゼンチン戦でスタメン出場し、先制点を決める活躍を見せ、日本代表メンバーとしてここでも勝負強さを見せてきた。
その後、ジェフユナイテッド千葉から移籍してきた山下敬太とのコンビで、山下の得点量産を生かす動きでチームに貢献し、6月の東京オリンピック代表選考でバックアップメンバーに選出される。
だが、大会の規定変更によりバックアップメンバーから登録メンバーに加わり、上田綾世、前田大然の体調不良により、スターティングメンバーとして全5試合に出場したが、得点を挙げることができず、ここでは思った以上の活躍を見せることができなかった。
それでも、海外クラブからはポストプレーでボールを収めることができ、2列目、3列目の選手を生かすこともできる林の評価は高く、プロ2年目でありながら8月にベルギーのシント=トロイデンVVへ完全移籍をすることが決定した。
第6節のサークル・ブルッヘ戦で2トップの一角として先発出場しベルギーデビューを果たした試合で、初ゴールを決めて1-0の勝利に導く活躍を見せる。
前半戦は主に鈴木優磨と、後半戦は原大智とコンビを組み、主にセンターフォワードとしてスタメンで出場し、25試合7ゴール1アシストと攻撃陣の一角を担った。
2022-23シーズンも、主に2トップの一角としてスタメンで出場し、31試合7ゴール3アシストと2シーズン連続で安定した活躍によりチームに貢献し、この度1.FCニュルンベルクへのレンタル移籍が決まったのである。
1.FCニュルンベルクは、1920年代にはドイツ・サッカー選手権で5度の優勝を遂げるなど、古豪クラブとして黄金時代を築いていたが、1967-68シーズンにブンデスリーガを優勝して以来、2部降格回数がブンデスリーガで史上最も多い9回と以前のような輝きを見せることができていなかった。
今シーズンも2.ブンデスリーガで14位と昇格には程遠い成績を残している。
過去に清武弘嗣、長谷部誠、金崎夢生と日本人選手も所属しているクラブであり、そんなクラブにこの度林が加入するのである。
監督はディーター・kヘッキングからアシスタントコーチのクリスティアン・フィエルに代わって、基本ワントップで戦術を組み立てていた。
ライバルとして、スイスの世代別代表の経験者で、林と同世代のクワドオ・ドゥアーがワントップとして主にスタメンプレイヤーとして出場し、33試合11ゴール1アシストと得点関与率が約4割とチームを支える貢献を見せていた。
厳しい争いが予想される中、フィエル監督から「彼は攻撃で我々に多くをもたらし、複数のポジションをとることができる。裏のスペースに向けて、そして相手ボールに対しても非常に良いインテンシティをもってプレーする」と高評価を抱いており、決して厳しすぎる競争でないと言えるだろう。
ベルギーからドイツへと、レベルアップを果たしたが厳しいポジション争いが予想されるが、林のキャリアプランにおいてニュルンベルクで活躍を見せることができるかどうかは、今後のスポーツ生活において鍵を握る点になるだろう。
将来的な5大リーグへの挑戦に向けて、まずはドイツ2部リーグでの圧倒的な活躍に期待したい。
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