2023年シーズンよりJ2初昇格を果たした藤枝MYFCの快進撃に目が離せない。
元日本代表のGK林彰洋がゴールネットを守るベカルタ仙台相手に3-2と勝利を挙げ、昇格初年度にも関わらず、J1昇格プレーオフリーグ出場圏内の6位と快進撃を成し遂げている。
その原動力を支えているのは、J1やJ2を経験している移籍組だけではなく、J3という日の当たらないリーグを戦い抜き、今年初めてJ2リーグを経験する選手たちの力が大いにチームの好成績に影響を及ぼしている。
まず、第11節終了時点で9得点と、得点ランキング2位のフアンマ・デルカド(長崎)に2点差を着けてなんとトップに立っているFW渡邉りょうである。
2019年にJ3のアスルクラロ沼津でキャリアをスタートし、2022年シーズン途中より同じく当時J3の藤枝に移籍し、今シーズンで初めてJ2リーグでのプレーを経験するエースストライカーである。
渡邉はなんといってもプレーに強い自信が見られ、ポジショニングも長けている且つ、思いっきり振り抜く右足から放たれるシュートはゴールネット4隅を縫うような軌道から藤枝に得点をプレゼントしている。
チームも第11節終了時点で21得点とJ2特ランランキングチームトップと、攻撃において好循環を生み出しており、その原動力とし渡辺の決定力はチームに多大なる影響を見せてくれている。
なんといっても第11節のべカルタ仙台で挙げた先制点は、渡邉のここまで結果が出ていることからのメンタル面の充実度と、やってきたことに対しての自信の強さから現れたことで右足を思いっきり振り抜いたことで、元日本代表GKの林からゴールを破ることができたのだろう。
そんな渡邉を1列後ろのシャドーの位置で攻撃をアシストしている、背番号10を背負うMF横山暁之も快進撃の原動力の一躍を担っていると言えるだろう。
大学4年の夏に左膝の故障により手術をしたが、患部に水が溜まったことで完治しても先行きが見えず、大学卒業後はアルバイト生活を送っていた。
そんな側、藤枝に自ら売り込み練習参加し、その結果からプロ契約を勝ち取った苦労人である。
2022シーズンは、31試合13得点の活躍によりJ2昇格に導き、今シーズンは第11節終了時点で2ゴールに加え、リーグ3位の3アシストと引き続き得点に多く絡む活躍を見せてくれている。
2列目でありながら状況次第では最終ラインまで下がり、パスを組み立てリズムを調整するチームに欠かせない役割を担っており、プロ入り前はフリーターとして辛抱しながら、自らの努力でJ2リーグでチームに欠かせないプレイヤーにまで上り詰めたのである。
テクニシャンとして技ありのシュートを決めた第9節ジェフユナイテッド千葉戦で見せた
ミドルシュートは、何度見ても「おー」という感嘆の声が挙がるほどの美しさがある。
また、右サイドハーフで全試合先発出場中の久保藤次郎も、中兄弟から藤枝一筋の選手であり、初めてのJ2というステージで輝きを放っている。
2022シーズンは、大卒1年目でありながら30試合出場で10得点と得点に絡む活躍を見せてくれた藤枝期待のホープである。
今シーズンも、第11節を終了して3得点に加え、リーグ3位の3アシストとJ2の舞台でも得点に絡む活躍を見せてくれている。
長友佑都の書籍からインスパイアされて食生活に気を使っていることから、コンディションが常によく。右サイドで非常にキレた動きを見せてくれている。
フィールドを広く使って攻撃を展開する藤枝の戦術の中で、攻守において縦横に縦横無尽に動いてくれる久保の働きにより攻撃に流れを作り出すことができ、藤枝の攻撃を活性化させる役割を担っている。
J2の中でも、1試合平均クロス数が第11節終了時点で4.6回とリーグ7位を記録しており、右サイドから多くのチャンスを構築していることが窺える。
その他にも、今シーズンから桐蔭横浜大学から藤枝に入団したGK北村海チディも第6節のレノファ山口戦からスタメン出場を勝ち取り、3連敗と苦しんでいたチームを救う山口亜亭に完封勝利を上げるなど、6試合で4勝1分1敗と快進撃の一躍を担っていることは間違いない。
1試合平均ロングパス数が、第11節終了時点で11.8本でリーグ3位と最終ラインから攻撃を構築できることが大きく、藤枝の攻撃サッカーを最終ラインから支える存在として勝利に導いてくれている。
また、生え抜きではないが、J3時代から長くチームを支えているFW岩渕良太やMF水野泰輔など生え抜きより経験豊富な移籍してきたベテラン組の力も欠かせなく、終盤にかけては今シーズンから移籍してきた選手と併せて、カギとなる選手たちになるだろう。
現在、勢いに乗っている藤枝が昇格初年度で好位置にいるからこそ、長いリーグ戦において終盤まで勢いが持続できるのか、持続してほしいという期待を込めてこのチームからは今後も目が離せない。
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