top of page
原翔太朗

プレミアリーグ:28年ぶりのクリスマスイブに試合開催にファンが激怒、日本とイギリスにおいて文化とサッカーの楽しみ方の違い


 先月の26日、プレミアリーグでは28年ぶりにクリスマスイブで試合が行われることが決まった。


 その試合カードは、ウルヴァーハンプトンvsチェルシーであり、その理由としては有料テレビチャンネル「スカイ」が当初予定していた23日では生放送ができないためであると言われている。


 クリスマスイブに大好きなサッカーの試合が見れて、尚且つテレビでも生放送とのことなので、一家団欒でサッカーを見れて一見ハッピーなニュースに聞こえるが、ファンからは怒りの声が多く上がっている。


 日本でもつい最近までは元旦に天皇杯を開催し、サッカーファンはTVでNHKをつけて天皇杯決勝を見ることで「新年が始まったな」と思っていた方も多いだろう。


 そして、今年も日本代表が元旦にタイ代表と親善試合を行うことが決まり、大いに盛り上がることが想定されていて、特に目立った否定的な声は上がっていない。


 だが、プレミアリーグのサポーター間ではクリスマスイブでの試合開催に否定的な意見が多く、28年ぶりの開催ということからリーグ側からもあえて避けて日程を組んでいたことがわかるだろう。


 なぜ今回の件で怒りの声が上がるのか、そしてなぜ今までクリスマスイブに試合開催を避けていたのか、そしてリーグ中且つ今まで避けてきた日にも関わらず「スカイ」が日程の変更を提案しそれが実際に通ってしまうのか記載させていただく。


プレミアリーグ優勝チーム予想

  • 0%マンチェスター・C

  • 0%アーセナル

  • 0%ニューカッスル

  • 0%マンチェスター・U

You can vote for more than one answer.


・なぜ、リーグ中にも関わらず1テレビ局の意見が日程の変更につながったのか


 現在、プレミアリーグの国内放映権はスカイスポーツ、TNTスポーツ、アマゾンが所有しており、その中でスカイスポーツは51億ボンドを支払い放映権を例年のように獲得し、プレミアリーグの中でも群を抜くほどの権力を勝ち取ったのである。


 そのため、スカイの申し出にはプレミアリーグも首を横に振るわけにはいかずクリスマスイブでの開催が決まったのである。


 実は過去にもクリスマスイブの開催を申し出たことがあり、2017年のアーセナルvsリバプールの試合がスカイの申し出により日程変更が一時は決まったのである。


 放映権契約上、日曜日に2試合中継をすることが決まっていて、クリスマスイブが日曜日であったことから注目度の高かったリバプールvsアーセナルをクリスマスイブで開催するようにリーグへ要求したのである。


 だが、それにファンは大激怒をし、その声の大きさから結果的にクリスマスイブでの開催は中止となり、今シーズン行われる試合が28年ぶりの開催となるのである。



・なぜファンがクリスマスイブでの試合開催に怒るのか!?


 なぜ、クリスマスイブでの試合開催をファンが嫌うかというと、イギリスはクリスマスイブは交通機関がほとんど走らないため会場に行く・家に帰ることが困難になるからである。


 イギリス人にとってクリスマス休暇はイースター休暇と並んで、一年で特に大事な休暇である。


 一般的にクリスマスは家族で過ごし、特にメインのクリスマスイブは家族で集まって夕食を囲み、ファーザー・クリスマスからプレゼントをもらうためにストッキングの準備をするし、ファーザー・クリスマスとトナカイにお礼をするためワクワクした気持ちを胸に秘めつつお出迎えの準備に邁進するというとても重要な1日である。


 そんな大事な日にTV局の都合でサッカーの試合を開催するというのは、普段は会場でチームを応援しているサポーターにとっては非常に迷惑の話なのである。



 また、上記で伝えた通りクリスマスイブは交通機関の本数が減り、翌日のクリスマスは交通機関が完全ストップするため、外出した後帰宅するのが非常に困難となる。


 だからこそ、会場に行ってチームを応援するサポーターが怒っているというのがここまでの背景である。


・Jリーグとプレミアリーグにて、人口とサッカー観戦人数の比較


 というのも、プレミアリーグはサッカー観戦人数にてドイツのブンデスリーガに続いて世界2位の人数を誇るほど観戦人数が非常に多く、イギリス内でもラグビーやクリケットを圧倒するほど現地で観戦する国民が多い。


 最近はA代表の活躍などで盛り上がりを見せている日本に比例し、Jリーグも大いに盛り上がっており、2022年シーズンのJ1観客動員数は438万4,401人と昨シーズンからなんと2倍も増えている。


 そして、2022年の日本総人口は約1億2494万7千人と10人いたら3人ほどサッカー観戦をしている計算になる。


 一方、2022年のイギリスの人口が日本よりもはるかに少ない6,750万8,936人に対し、2022-23シーズンのプレミアリーグの観戦人数がJリーグの3倍以上となる1,528万9,751人と人口の約5人に1人は現地で観戦している計算になる。


 このように、イギリスのサッカー人気は相当であり楽しみ方としては現地で観戦をして、自分の好きなチームを応援するイギリス人のサッカーの楽しみ方なのである。


 だからこそ、サポーターは交通機関がほとんど動かない上で大切な日であるクリスマスイブに試合を開催することに怒っているのである。

 そのためかチェルシーでは、敵地のウルヴァーハンプトン戦のチケットを購入してくれた方に向けて無料送迎ハスを提供したり、チームもそれぞれ対策を余儀なくされている次第である。


 現地で応援しているサポーターの応援がチームの成長や繁栄に直結するため、今後はサポーターが悲しむことをリーグが実行しないことを祈るばかりである。



このウェブサイトは株式会社WASABIZによって運営されています。無断複製、転載を禁止します。




 



Comments


bottom of page